生活の話

バリ島移住にやっぱりインドネシア語は必要だった

「バリ島に移住したら、そのうち言葉なんて覚えるよ」と言う人がいます。
幼児でもない限り無理です。

「バリ島に移住したら、時間がたっぷりあるから、それから勉強したらいいでしょ」と言う人もいます。
勉強する気のある人は、忙しくてもします。結局しないことの言い訳です。

シニア世代は下手をすると日本語すら危うくなっているのに、新しい外国語を勉強もせず話せるようになることなんて、できません。

外国で暮らして行くためには、やはりその国の語学力は必要です。
もちろんインドネシア語をマスターしましょう、というのではありません。
まず、日常生活に困らないためのインドネシア語、を目標にしましょう。

1 バリ島で使われている言語

インドネシアの公用語はインドネシア語。
バリ島でも当然インドネシア語が使われます。でも、普段使われるのはバリ語とインドネシア語のミックス。バリ語はなかなか手強いので、まずはインドネシア語を勉強した方
がいいと思います。

インドネシア語はマレー語から派生したもので、読み方はアルファベット読み。
しかしインドネシアは島嶼国家なので、バリ島ではバリ語、ジャワ島ではジャワ語が日常的に使われています。
お年寄りはインドネシア語が分からない人もいます。

観光地やホテルでは英語も通じますが、それ以外の場所では難しいですし、バリ人の英語は訛りもあるので、英語力がないとなかなか難しいです。

2 インドネシア語の勉強方法

2-1 大学生になってみる

大学によっては、外国人のためのインドネシア語講座を持っているところもあります。費用は結構高いです。

国立のウダヤナ大学では、BIPAという外国人向けのインドネシア語のプログラムも有ります。
この講座、1セメスターが約半年。
レベルも1から4まで有ります。
インドネシアの学校の先生は宿題が大好き。
気合いを入れないとついていくのが大変かもしれません。

2-2 インドネシア語講座に通う

民間の語学学校に通うという方法も有ります。
日本人のスタッフがいる学校も有って、様々なプログラムを持っています。
費用はレッスンの内容によりますが、なかなかの値段です。

2-3 個人レッスンを受ける

語学学校や、日本語の堪能なインドネシア人の個人レッスンを受けることもできます。

これは私の考えですが、マンツーマンのレッスンより、少人数のグループレッスンのほうがいいと思います。マンツーマンだとバリ島の先生は優しいので、日本語の世間話で終わる可能性もあります。

インドネシア語を勉強しに行っているのか、日本語を先生に教えに行っているのかわからなくなることも。グループだと、他の人よりできなければ恥ずかしいので、自ずと勉強するようになります。ただし少人数に限ります。

2-4 独学で何とかする

私は独学でインドネシア語を勉強しました。
結局、語学は覚えなければどうにもならない。どんなにいい学校に行っても、最後は自分次第。

私はバリ島に移住することを決めてから、日本でインドネシア語のテキストを買って、まず一通り基本の文法、挨拶、単位などは勉強しました。

でも結局のところ、語学は語彙が全て。大体の文法がわかれば、あとは単語をいくつ知っているかに尽きる。覚えるのは自分しかいない。覚えた言葉はすぐ使ってみる。

近所の子供をお菓子で釣って話し、タクシーに乗れば運転手さんに話しかける、といったことを繰り返していました。わからなければ何度でも聞き直し、とにかく耳を慣らすことを最初にやりました。

相手の言うことがわからなければ、自分の意思を話せたところで会話は成立しません。今思えばはた迷惑な日本人だったかもしれません。でもバリの人達は嫌な顔もせず付き合ってくれました。

三つ覚えれば翌日は二つ忘れるどころか、三つとも綺麗さっぱり忘れ、下手をすれば覚えていたはずのことまで忘れる、という年齢と戦いながらのこの方法。なんと実践的かつ非効率的な学習法でしょう。決め手は根気。

いずれも気をつけて欲しいのは、テキスト通りに話す一般人はほとんどいない、ということです。日本語も同じですね。とにかく実践あるのみです。

学校に通うなら、レッスンでは基本を身につける、という気持ちでいたほうがいいです。
間違えるからこそ覚えることもできます。
学問に王道なし!

3 インドネシア語を学ぶ時ぶつかる、3つの壁

私達はバリ島に移住してもう長いというのに、言葉に関してはまだまだです。それでもインドネシア語に関しては、いくつかの壁にぶち当たりました。

3-1 ヒアリングの壁

たかだか日本でテキストを基にした勉強しただけでは、耳を鍛える機会が少ない。相手の言っていることがわからなければ、会話は成立しません。

最初、相手の言っていることが聞き取れず、不安になったこともありました。とにかく何度も聞き返しました。(相手はさぞかし迷惑だっでしょう)

当時一番よく使ったフレーズが、「ごめんなさい。まだインドネシア語ができないので、ゆっくり話してください」でした。

バリ人も色々で、そう言うだけで本当にゆっくりとテキストにあるように話してくれる人もいれば、大丈夫、大丈夫と慰めてくれるだけの人も。ごめんね、慰められたいんじゃないの、ゆっくり話してほしいのよ。

3-2 日常会話の壁

少しずつ話ができるようになると、実践あるのみ。機会があれば話しかけます。そうなると相手は、この日本人インドネシア語ができる、と思います。

そう思ったら最後、どんどん普通のスピードで話してくる人もいます。わかりません。

そんな時はちゃんと、相手の話を遮ってでも、「ちょ、ちょっと待って!私はまだインドネシア語が少ししかわからないから」と言いましょう。わかったふりをするのはやめた方がいいです。トラブルの素です。

かと思えば、私にわかるような平易な単語で、ゆっくりと短い文章で話してくれる人もいます。
バリ人との付き合いの中で、後者の人は信頼できる人が多いです。相手の立場をおもんぱかることのできる、気遣いのできる人です。

3-3 日本人ならではの語彙の壁

これは日本人ならではの悩みです。
日本語の語彙は多いです。一つの意味を表すのに、微妙にニュアンスの違う単語が複数あります。反対に、インドネシア語の語彙は少ない。英語も同じです。

例えば、シャツを着るのも、ズボンを履くのも、帽子をかぶるのも、メガネをかけるのも、全部同じ。使う、と言う意味も持った、pakaiです。

日本語が母国語の私達は、日本語の単語に当てはまるインドネシア語の単語を探そうとします。もちろん有りません。
そして奥深い日本語の深みにはまってしまうのです。
日本人ならではの壁?です。

4 頑なに日本語だけを使う事はやめましょう

バリ島に移住したら、できるだけ早くインドネシア語を使いましょう。
時間が経てば経つほど、インドネシア語ができない自分が恥ずかしくなり勉強するチャンスを逃します。

そして何年も経って、今更インドネシア語なんて話せない、ということになります。
ありがとう、おはよう、からでもいいのでまずは話してみること。
それががバリ人との距離をぐっと縮めてくれます。

日本に来て何年も経つ外国人が、日本語を使おうともせず、自分の国の言葉を頑なに話していたらどう思いますか?

まとめ

経済力があれば、アシスタントで日本語のできる人を探すのもいいと思います。自分が話せなくても何とかなります。
それでも24時間体制でついていてくれる訳ではないので、必ず困ることが起きてきます。

たどたどしくても話した方が、バリの人達との距離が縮まりますし、いざという時のためにも日頃のコミュニケーションを取っておいた方がいいです。
この辺のことは女性の方が得意かもしれません。

リタイアメント世代の男性は、日本での肩書きや、経験、プライドが邪魔をして、なかなか最初の一歩が踏み出せない人もいるようです。
夫婦の場合は妻がインドネシア語担当、ということも多いです。

でもバリ島に移住したら、皆んなまた一からのスタート。年齢も肩書きも関係ありません。一人の日本人というだけです。

そう、日本人なんです。初めからできるわけないんです。皆んな間違えて覚えていくんです。そのうち、自分の間違いを笑い話で披露できるようになります。間違って恥ずかしい思いをしても大丈夫。

結構、ぶしつけに笑われたりしますが、バリ人はすぐに忘れてくれます。煙たがられるより笑われる方がいいと思いませんか?

 

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