バリ島に移住する上で欠かせないお金の管理。もちろん、生活費。そして医療費とかまとまった不意の出費もあるかもしれません。
現金を自宅に置いて、使うときに両替するという人もいます。そうは言っても、現金を自宅に置いておくのはちょっと心配。両替に行くのも面倒。
やはり銀行口座を持っていた方が便利です。KITAS、KITAPを持っていれば銀行口座を開設できます。KITAS、KITAPを持っていない外国人も、その銀行と取引のあるバリ人の保証人をつければ口座開設はできます。
もちろんネットバンキングもできます。通帳記帳もATMではできないので、ネットバンキングの方が便利ですね。
口座維持手数料など、日本とは違うこともありますので、自分に合った銀行を選びましょう。
目次
1 銀行口座を開設するメリット、デメリット
1-1 銀行口座を開設するメリット
ポイント
- 普通預金でも日本より高い金利
- ATMの引き出しの時間外手数料がない
- 定期預金も高金利
普通預金でも日本より高い金利
日本では普通預金の利息なんて考えたことはないですよね。インドネシアの銀行は普通預金でも利息は付きます。銀行によっても違いますが、年利約0.7%から1%付きます。利息には20%の税金がかかります。
ATMの引き出しの時間外手数料がない
ATMは24時間、365日引き出し可能です。休日や時間外手数料はかかりません。
定期預金も高金利
もちろん定期預金もできます。利息は銀行により、預け入れ金額により変わってきます。大体、年利5%前後といったところです。期間は1ヶ月から預け入れることができます。
ただ円建てやドル建ての場合は利息は下がります。あくまでインドネシアルピア建の場合です。万一、帰国するために円に替えると、為替差益によっては損を生じることもありますので注意が必要です。
1-2 銀行口座を開設するデメリット
ポイント
- 口座維持手数料が必要
- ATMでできることが少ない
口座維持手数料が必要
銀行、ATMカードの種類によって違いますが、毎月口座維持手数料が必要です。
利息は付きますが、カードの種類や預け入れ金額によってはマイナスになることもあります。
ATMでできることが少ない
日本のように、ATMでできることはそう多くはありません。銀行によってはあるようですが、私が使っている銀行では、預け入れのできるATMは見たことがありません。
主にできることは、引き出し、振り込み、公共料金や各種料金の支払い、プルサの購入などです。振り込みは口座振替のみ。現金での振り込みはできません。
日本では、手数料を払えば他行のATMでの引き出しができますが、インドネシアではできません。
2 銀行口座を開設する方法
2-1 銀行を選ぶ
インドネシアの銀行には、国営、民間、組合などの銀行があります。アジア通貨危機後の統廃合を経て、国営3行、民間1行が4大銀行といえます。
国営3行は、BRI(ベー・エル・イー Bank Rakyat Indonesia)、BNI(ベー・エヌ・イー Bank negara Indonesia)、Bank Mandiri(バンク・マンディリ)。民間一行は、BCA(ベー・チェー・アー Bank Central Asia)。
普段はATMで事足りますが、預け入れなど、窓口でなければできないこともあります。ATMの不具合もあるので、店舗が近い方が便利です。
私はスキミングなどのATMに関わる犯罪やATMの不具合があることも考えて、銀行の併設のATMを営業時間内に利用するようにしています。
2-2 銀行口座開設の手続き
外国人が口座を作るには
ここからは我が家のメインバンク、BNIを例に進めたいと思います。他行も基本的には同じ手続きです。
外国人が口座を開設する場合、KITASやKITAPなど、在留許可が必要です。それ以外の方で口座を開設したい時は、BNIと取引のあるバリ人(KTPがバリ島にあるという意味)を保証人に立て、同行してもらう必要があります。
保証人を立てるのが難しいという方は、銀行口座開設をサポートしてくれる業者に依頼することもできるようです。もちろん手数料が必要です。
暗証番号は6桁
インドネシアの暗証番号はpin(ピン)といいます。6桁です。定期的な変更が推奨されています。
2-3 インドネシアのATMカードはデビット
インドネシアのATMカードはデビットカードです。カードの種類によって、1日の使用限度額が変わります。
2-4 ATMカードの選び方
カードの種類によって引き出し金額、送金金額、口座維持手数料が決まります。BNIのATMカードは3種類。
ポイント
シルバー
- 口座維持手数料Rp.4,000/月
- 引き出し限度額Rp.5,000,000/日
- 送金限度額(同行宛)Rp.50,000,000/日
- 送金限度額(他行宛)Rp.10,000,000/日
- デビット限度額Rp.10,000,000/日
ゴールド
- 口座維持手数料Rp.7,500/月
- 引き出し限度額Rp.10,000,000/日
- 送金限度額(同行宛)Rp.100,000,000/日
- 送金限度額(他行宛)Rp.15,000,000/日
- デビット限度額Rp.50,000,000/日
プラチナ
- 口座維持手数料Rp.10,000/月
- 引き出し限度額Rp.10,000,000/日
- 送金限度額(同行宛)Rp.100,000,000/日
- 送金限度額(他行宛)Rp.25,000,000/日
- デビット限度額Rp.100,000,000/日
口座維持手数料と自分の使い方に合わせて決めてください。
3 意外と便利なインドネシアの銀行のATM
インドネシアのATMは、日本のATMのような機能はありません。一番不便なのは預金ができないこと。預け入れのできる銀行もあるやに聞いていますが。
でも便利なこともあります。引き落としというシステムが普及していないインドネシア。例えば、公共料金の支払い。
支払いを選べば公共料金の名称が出てきます。それを選んで顧客番号を入れれば、その次の支払い金額、支払う者の名前が表示され、後は確認してエンターキーで終わり。
公共料金に関して、料金のお知らせは来ません。ATMで初めて知ります。
4 ATMを使うときの注意
バリ島のATMにトラブルはつきものです。ATMというより、バリ島にトラブルはつきもの、と考えた方がいいかもしれません。
トラブルが起きたら、銀行に併設のATMならすぐに窓口へ。営業時間外なら、セキュリティがいるので聞いてみることをお勧めします。
BNIのセキュリティはアドバイスをくれたり、トラブルの報告を上げてもらえます。
5 トラブルが起きた時の対処法
カードが出てこない
たまにあります。営業時間内ならすぐに対処してもらえます。ATMの中にはボックスがあって、その中に入っています。
カードを取り忘れたりすると、一定時間を過ぎると吸い込まれて、そのボックスに入ります。営業時間外でも、翌日出してもらえばOK。
結構大きな警告音も鳴ります。取り忘れに注意してください。
うちのつれあいは土曜日に取り忘れ、コールセンターでブロックしてもらいました。それ以来、営業時間内にしか引き出しはしません。
取引が終わってもお金が出てこない
これも時々あります。カードは出てきたのにお金が出てこない!ATMにお金が入ってない時に時々あります。
落ち着いてください。残高を確認して引き落とされているかどうか、確認してください。残高が減っていなければ、他のATMか窓口へ。残高はsaldo というキーを押せば確認できます。
もし引き落とされているにもかかわらず、お金が出てこない場合、窓口へ。
BNIでは経験がないのですが、他の銀行でありました。うちのお手伝いさんがご主人の給料を引き出そうとしたら、お金が出てこない。バリ島では、給料日に全額を引き出すのが普通です。
その銀行は最王手のプライドなのか、窓口の行員も高飛車。「口座に戻るまでに、多分2、3日かかります。とりあえず申請書を書いてください」と言われて、他の行員にも聞いたら、「いつになるかわかりません」と言われて半泣きで帰ってきました。庶民にとって給料は生活の糧。あーそうですか、では済みません。
はぁー?完全に銀行側のミスなのに申請書を書けだとぉ!なんの申請なんだよ! そっちの謝罪が先だろ!フザケンナよ!
お手伝いさんに、「いつになるかわからないなら、わかる人を呼んで!、と言いなさい!」それでもグズグズ言われたら、「コールセンターに連絡するわ。と言え!」と、もう一度行かせました。
そうしたら、その場で返金。まったく、顧客をなんだと思ってるんだ!後日その銀行、ハッキングで多数の顧客の口座から預金を抜かれ大問題になりました。
その時も、なんの予告もなく顧客の預金をブロック。被害にあった人以外の口座もATMカードもブロック。新しくATMカードを作り直すから、カードの発行店に来い、と。何様だよ!
バリ人にとって銀行員はエリート。役所の人間と同じ感覚です。お上に楯突く勇気がない人が多く、泣き寝入りする人も多いのです。日本人には到底看過できません。
大人しくしていたら、放って置かれる。これがインドネシアあるあるです。
6 地元の組合の銀行に預金する時の注意
バリ島に住んでいると時々、バンジャールの銀行からお金を借りた、という話を聞きます。このバリ人がバンジャールの銀行というのが、組合の銀行です。
普通の銀行のようにATMは有りません。外国人も預金はできますし利息も高い。私は利用したことがないのですが、知らないうちに組合が無くなってしまっていたり、利息が支払われなくなったりというトラブルもあるようです。
そうなると元金を取り戻すことは難しいので、誘われた時はよく調べて利用することが必要です。
まとめ
インドネシアの銀行は日本の銀行に比べて利息は高いです。
一時期のように利息だけでバリ島移住の生活費が賄える、といったことは過去のことですが、まだまだ魅力はありますし、ペイオフのシステムも有ります。
ただ為替の変動や、日本では考えられないトラブルもありますので注意してください。海外に住むと、常に為替の動きもチェックが必要です。