どこから走って来るかわからない、溢れるほどのバイク。ちょっとでも車間距離があれば強引に首を突っ込んで来る車、バリ島の交通はまさにカオス!
渋滞がひどければ、ただでさえ狭くて段差のある歩道をバイクが走る。彼らは何をそんなに急ぐのか。普段は何事もおっとりして穏やかそうなのに。バイクや車に乗ると彼らの闘争心にスイッチが入るようだ。
急いで目的地に着きたいのではない。なぜなら彼らは、約束の時間に1時間くらい遅れる事を遅刻だとは思わないし、遅れた理由はいつも、渋滞だったからなのだ。その時、ただ人よりも少しでも前に出たいだけとしか思えない。謎だ。
バリ島の交通事情は日本とは全く違います。交通マナーなど無いと言っても過言ではなく、交通ルールさえもどこ吹く風。
こんな交通事情のバリ島で、シニア世代はどんな交通手段を選ぶべきなのか?
目次
1 バリ島の交通手段と、それぞれのメリット、デメリット
1-1 公共交通機関
バリ島には日本のような、路線バスや電車などの公共交通機関がありません。
トランスサルバギダという公共のバスはありますが、路線が少なく日常の足としては使えません。
1-2 バイク、自転車
昔は自転車も交通手段としては有りました。今や自転車に乗っているのは、趣味として楽しんでいる人や外国人くらいです。
クレジットの分割払いが普及してから、一家に一台のバイクが、一人一台になりました。
今やバリ人にとってバイクは生活必需品。バイクに絞ったメリット、デメリットです。
メリット
- 渋滞に強い
- 燃料費が安い
- 小回りが利く
- KITAS保持者であれば運転免許が取れる
デメリット
- 車より危険
- とにかく暑い
シニア世代がバリ島の交通事情の中でバイクに乗ることは、あまりお勧めできません。
ただウブドなどの比較的交通量の少ないエリアで、近距離の外出に使うのは注意すれば問題は少ないと思います。
バリ島では中学生ともなればバイクに乗って通学している子もいます。
免許は17歳からなのでもちろん違法ですが、公共交通機関がないので見逃されている状態です。バイクは115cc以上。見た目はスクーターのようでも結構重い。
もちろん基本二人乗りですが、3人、子供が2人なら4人乗りも当たり前。まるで日本の車の感覚。荷物も大概のものはバイクで運びます。
後ろに乗っている人はというと、何も掴まらずスマホをいじったり、ご婦人は頭にお供え物を乗せ、伝統衣装に身を包み横座りで、やはりどこにも掴まらず寛いでおられます。彼らのバランス感覚はすごいとしかいえません。
その中に入って行く勇気はありませんが、バイクに乗らなければどこにも行けない、というのも実情です。
やはりバイクも日本製、特にホンダ、ヤマハが人気です。カワサキもコアなファンがいます。
バイクはいつも危険が隣り合わせ。バリ人は運動神経がいいのか、バランス感覚がいいのか、考えられない運転をする人もいます。
でもバイクの事故で命を落とす人も多いのです。外国人のバイク事故も後を絶ちません。
どうしてもバイクしか移動手段がない、という人は是非、医療保険に入っておくことをお勧めします。整形外科の費用は高いです。
1-3 自動車
メリット
- 好きな所へ好きな時に行ける
- KITAS保持者であれば運転免許が取れる
デメリット
- 自動車の価格が高い
- バリ島の交通事情で日本人が自動車を運転するのは危険
- ガソリンの品質の問題もあって燃費が良くない
インドネシアの自動車は高いです。この自動車がこの値段!と驚くこともしばしば。
トヨタは一番人気。続いてホンダ、ダイハツ、スズキは東南アジアで頑張ってます。マツダも有ります。やはり日本車が人気です。
燃料費もガソリンは日本より安いですが、オクタン価が悪いせいか燃費も悪い。私達の経済状況では、自動車を買うという選択肢は悲しいかな有りませんでした。
それに加えバリ島の交通事情の中で、日本人のシニア世代が自動車を運転するのは、バイクに比べれば安全ですが、加害者になる可能性も考えるとお勧めしません。
自分が怪我をするのも困りますが、被害者がバリ人だった場合はもっと大変だと思います。自動車を運転することを選択されたら、必ず保険に入っておいてください。
1-4 タクシー、配車アプリタクシー
バイクも自動車も運転は危険だから不安、となると選択肢はタクシーや配車アプリタクシーになります。
まず一般的なメータータクシー。
バリ島のタクシーならブルーバードを!とガイドブックにも有るように、やはりタクシーならブルーバードがお勧めです。
何よりコンプライアンスが違います。私達の経験から言ってもブルーバードなら安心できます。
他のタクシー会社も有りますがお勧めできません。
配車アプリタクシーができてから、他社のタクシーを見ることは少なくなりましたが、ショッピングモールやホテルなどでは、他社の提携タクシーも有りますので、注意してください。
いわゆる一般的なタクシーを使う時は、必ずメーターを使うように言ってください。
外国人と見ると、メーターを細工したり、メーターを使わず運転手の言い値で払わせようとするタクシー会社も有ります。
配車アプリタクシー
数年前から主流のこのタクシー。
バリ島では、Grab(グラブ)とGojek(ゴジェック)です。
Gojekはインドネシア発祥の会社。
最初はバイクタクシーから始まり、GorCarという自動車のタクシーができました。そして今や、GofoodやGo shopなど様々なサービスが有ります。
今や、バリ人にとってなくてはならない物になりました。
Grabはシンガポールが発祥の会社で、こちらは自動車のタクシーが最初。
私達も今は配車アプリタクシーを使っています。
2つともアプリを入れて使います。
初めの設定はちょっと面倒ですが、一度入れてしまえは快適です。
今いる場所と目的地を入力すると、経路と金額が表示されます
確認してオーダーするとドライバーを探します。ドライバーが決まると、名前と自動車のナンバーが出てきます。
そして自分のオーダーしたタクシーが今どこにいるか、そして来るまでがリアルタイムで表示されます。
全て会社側で管理しているので、金額をごまかされる心配もありません。
大丈夫です。シニア世代でも慣れれば十分使いこなせます。
メリット
- 安全
- 配車アプリのタクシーが出てきて価格も安くなった
- 金額をごまかされたり、ぼられる心配がない
デメリット
- インドネシア語又は英語能力が必要
- エリアによってはそもそも利用不可
- フットワークは悪い
このように便利な配車アプリ。食事のケータリングや買い物代行など、サービスも多彩ですが、言葉ができないとちょっと難しいという問題はあります。
それに、A地点からB地点まで利用して、またB地点から途中買い物をして帰宅、出かけてから帰宅まで2〜3時間という場合。何度も車を呼ばなければなりませんでした。
ちょっとコンビニに立ち寄るくらいの買い物なら、待っていてくれますが、スーパーで買い物となると、一旦車を捨ててまた呼ぶしかありません。
そんな時、Grabに便利なサービスができました!2時間からのチャーターが可能な配車サービスです。最初から何時間のチャーターかを選んで、その時間内ならどこでも行ってくれます。価格も普通のカーチャーターより安い。
という事で、私達は普段の移動は配車アプリかタクシーを使い、遠出をしたい時は、ドライバー付きの車をチャーターしています。
GrabとGoCarを使い分けよう
この配車アプリタクシーは、目的地や時間帯によって、あるいは理由はわからないけど突然、料金が変わります。
以前はGrabの方が安かったのですが、去年突然料金が1.5倍に!
すぐにGoCarに変えました。
最近ではまたGrabの方が安い。
このように料金は、何の前触れもなく変わります。必ずチェックしてください!
私はその都度、GrabとGoCarを比べてみてどちらか安い方を使っています。
2 交通手段選びは住むエリアで決める
便利な配車アプリタクシーですが、エリアによっては使えないこともあります。
2-1 デンパサールなどの中心部
デンパサールや、クタなどの南部と言われる観光エリアでは、配車アプリタクシーは便利です。
我が家の周辺では、オーダーすれば即座にドライバーが見つかります。
2-2 ウブドなどの郊外
例えばウブド。
昔からウブドにはメータータクシーも有りませんでした。
今もいわゆる白タクしか有りません。
そして配車アプリタクシーもウブドまで行くことはできますが、ウブドからの帰路は原則使えません。村が白タクの営業を守るために乗り入れを禁止しているためです。
こっそり使うことはできるようですが、もしバレたら大変らしいです。
ウブドでは他のエリアのように配車アプリタクシーを気軽に使うことは難しいです。
配車アプリタクシーは便利ですが、そもそも田舎では需要がないため、人口の多い都会?でないと気軽には使えません。
ただ配車アプリタクシーがいないようなエリアは、日本人のシニア世代でも、バイクや車を日常生活で使うことは、気をつければそれほど危険ではないと思います。
日常の近距離は、バイクや自分で運転する自動車で。遠出をする時はドライバーを使ったり、カーチャーターを使う、という方法もあります。
どうしても、バイクや自動車を自ら運転したくない人は、家を選ぶ時もそのことを考慮する必要があるかもしれません。
ポイント
カーチャーター
旅行者の時はカーチャーターで観光地を回った人も多いと思います。
バリ島のカーチャーターはバリエーションも色々。
日本語を話せるドライバーもいます。
金額は8時間チャーターして約¥5,000台から。時間内ならどこでも行ってくれますし、食事の時も待っていてくれます。
遠出の時は便利です。
Grabにも時間制のカーチャーターのサービスが有ります。
3 外国人の運転免許
外国人は、居住許可証のKITASやKITAPを持っている人しか運転免許は取得できません。
以前は、1ヶ月のツーリスト免許も有りましたが、今は廃止されています。
国際免許もインドネシアは使えません。
それでもバイクや自動車を運転している人もいますが、止めていただきたい。
自己責任という便利な言葉を使う人もいますが、何かあった時、自分だけで責任が取れるほど人は強くも賢くもありません。
必ず人様のお世話になることになります。
ちょっとくらい、自分だけは大丈夫、という考えは外国では止めた方が賢明です。
その国に住む以上、その国の法律や規則は守るのが当たり前です。そして、合法的にできることは手間を惜しまないでいただきたいです。
外国人に対する規則が厳しくなったのには、外国人側にも問題があるということを忘れないでください。
まとめ
公共交通機関が未整備のバリ島では、自分でバイクや自動車の運転をしなければ自由に外出できない、という事情があります。
私達は初めから、バリ島の交通事情のリスクを考えて、自分達で運転はしない、と決めて住まいを選びました。
今は配車アプリタクシーも有りますし、目的に合わせて使い分けることもできます。
移住後、実際にバリ島の交通事情を見てから交通手段を考えても遅くはありません。
それぞれに合った交通手段を見つけてください。