手続の話

事前調査が肝心! バリ島で家探し

バリ島リタイアメント移住を決めたら、ビザの取得の手続きと並行して住まい探しです!

リタイアメントビザ、KITASの取得にも、住所や賃貸借契約書が必要です。

日本のように、不動産屋で簡単に探せればいいのですが、バリ島ではそうはいきません。しかもバリ島には日本のような引越し業者も有りませんので、引っ越しも容易ではありません。

とりあえず住んでは見たものの、問題が続出、すぐにまた引っ越し。と言うパターンを避けるために、皆さんのライフスタイルに合わせて、事前調査をすることが肝心です。

1 家を建てる?購入?賃貸物件?

家探しではまず家を購入するか、借家に住むかを決めることになります。

1-1 家を建築、購入することのメリット

家主の事情に左右されない

借家だと、気に入っても家主の事情で住み続けることが難しい場合もあります。自分の思うような設計ができる。バリ島の家は、間取りも設備も日本とは違います。家を建てれば自分の思うような間取りも可能です。

特にバリ島の家はキッチンやお風呂場、トイレなどの水周りが日本とは違うので、自分の気に入ったようにできるのは嬉しいですね。

資産、投資として考えることもできる

一時のような、不動産バブルのような価格の高騰は望めないかもしれませんが、バリ島の不動産はまだまだ魅力があるようです。

1-2 家を建築、購入することのデメリット

インドネシアでは外国人が自分名義の不動産を持つ事は認められていません。

リタイアメントビザの発給要件で、家の購入、とあるのですが自分名義の家を購入するということではありません。

外国人が家を購入する、という意味は所有権と同じ程度の効力を持つ使用権を購入するという意味になります。

家を購入する方法としては、

  1. 土地を定期借地して上物を建てる。
  2. インドネシア人名義で建売住宅を購入する。

この二つになります。ただ、あくまで不動産の所有権はインドネシア人名義になります。これはリスクを伴います。

名義人のインドネシア人が、単独で権利を行使できない、といった条項を契約書に入れる等の対策もできます。名義人になる人がビジネスライクに徹する人ならまだいいです。

付き合いの長いバリ人の友人に名義人なってもらう、という方もいますが、トラブルも多いです。名義人のインドネシア人は、なぜだか自分の家だという感覚を持っています。友人となればなおさらのこと。これは何かとトラブルの元になります。

「私達はバリ島の家族だから」と言われたことのある方もいらっしゃると思います。耳障りのいい言葉です。そして彼らは本心から言っています。

「家族と同じように何かあれば力になるよ、でも私達のことも家族のように助けてね」という意味です。お金のことに関しては、友人といえども、いえ友人だからこそ、はっきり分けて考えるべきだと思います。

私が知っているだけでも、この種のトラブルは本当に多いです。

簡単に引っ越すことができない

住みづらくてどうしても引っ越したい時、持ち家だと簡単にはいきません。家の売却にしても名義人と関係もあります。

売りに出せばすぐ買い手がつく、という時期もありましたが、現在は状況が変わっています。

引っ越したくても引っ越せない、ということも考えられます。

家を建築する場合、監督する協力者が必要

バリ島の建築は全て現場で行います。コンクリートも現場で作ります。建築資材もその都度調達します。

現場監督もいますが、任せきりにすると、建築資材を横流しされたり、品質を下げられたりといったトラブルも起きます。

バリ島の協力者に頼んで、目を光らせておく必要があります。

修繕費がバカにならない

日本の家のように品質が高くないので、新築でも一年に一度は、雨漏りなどの修繕が必要になることもあります。

1-3 借家のメリット

いやなら引っ越しができる

住んで見て周辺環境や家の設備などが不満なら、引っ越しもできます。

修繕費がかからない

主な設備(電気系統、給排水、雨漏りなど)の修繕は大家の責任です。何かと修繕が必要なバリ島の家。修繕費がかからないのは利点です。

1-4 借家のデメリット

全ては大家次第

大家がどんな人かによって、借家の住みやすさは決まります。外国人には貸さない、という大家もいます。

更新しようとしたら突然家賃を上げられたり、バリ島の家は、少しくらい手を入れても問題はないので、許可を取って手を入れたら、付加価値が上がって家賃も上がった⁇などという理不尽なことだってあります。

修理を依頼しても、なかなか直してくれなくて、結局自腹で修理しなければならないことも。

最初の契約の時に細かいことまで取り決めておきましょう。

家の購入や建築を考えている方も、まずは住みたいエリアの借家に住んでみて、じっくり見極めてからの購入をお勧めします。

2バリ島の不動産の種類

2-1 コス(アパート)

コスまたはコスコサンと言われるアパート。

外国人向けのコスなら、冷蔵庫、TV、Wifi、エアコンなどの家電完備、家具付きのコスも有ります。

キッチンは共同の所も室内にある所も有ります。洗濯機は有りません。ほとんどワンルームです。

家賃は月払いです。リタイアメント移住の前の、お試しロングステイにコスを利用される人もいます。

家賃はエリアによって様々ですが、外国人向けの設備の整ったコスは、¥20,000〜¥50,000くらいです。(2019年の平均的レート 1円= Rp.125で算出)

ここで、あれ?と思われた方もいると思います。リタイアメントビザの取得要件で、月額$500以上の賃貸物件を借りること。という要件がありました。

実はこの要件は有って無いようなもの。エージェントに任せておけば大丈夫です。実際、米ドルは変動しますし、$500以上の借家はかなり限られる価格帯です。

2-2 一軒家

一軒家の借家がリタイアメント移住の方には一番現実的かもしれません。

エリア、部屋数、設備によって様々です。エアコンや家具付きの借家もあります。温水器や湯沸かし器が付いているかどうかも、確認してください。

気に入った家に、温水器や湯沸かし器が付いていない場合は、家主に折衝すればつけてくれることもあります。

家賃は最低1年の年払いが多いです。複数年契約なら安くなることもあります。

日本と違って多少手を入れることは問題ありません。棚をつけたり、壁に釘を打っても大丈夫です。

家賃はエリアによって様々ですが、¥200,000/年〜 くらいから有ります。その中で、外国人が住めるレベルの借家は、¥300,000/年〜だと思います。

2-3 ヴィラ

プールつきのヴィラ。憧れます。バリ島にはとても豪華なヴィラもたくさんあります。

年金生活ではなかなか難しいですが、家賃は日本では考えられないほど安いです。

プールはメンテナンスが必要なので、大家が支払うのか自分達で支払うのか確認してください。

価格はエリア、ロケーション、設備によって様々です。¥2,000,000/年〜といったところです。

3 借家の探し方

3-1 エリアを決める

バリ島はビーチリゾートという印象が強いですが、色々な顔を持っています。

外国人に人気の、クタなどの南部エリアはビーチリゾートエリア。日本人に人気の芸術や棚田などで有名なウブドエリア。

私達が住んでいる州都デンパサールは、行政や商業の中心地です。

それぞれのライフスタイルに合わせて住みたいエリアを決めましょう。人気のエリアはもちろん家賃も高いことをお忘れなく。

3-2 条件の優先順位をはっきりさせる

家選びの基本は条件の優先順位を決めること。まず、皆さんがリタイアメント生活で譲れない条件をあげてみましょう。

私達の場合は、

車は持たない

資金の問題もありますが、バリ島の交通事情で、被害者になっても加害者になっても、車の運転は危険と判断。

買い物などの移動に便利なこと

移動手段をタクシーとしたので、料金的なことを考えたのと、タクシーが簡単に呼べる場所を選びました。

つれあいが高齢者ということで、近くにインターナショナルレベルの病院があること

病院が遠いと受診するのが億劫になりがちです。入院になっても家が近いと、付き添いが楽です。

閑静な場所より街中の賑やかなところが好きだったこと

静か過ぎるとかえって落ち着かない私達は、ご近所の生活音の聞こえる環境、加えて人目の多い所は案外安全だ、という判断のもと今のエリアを選びました。

たまたま私達は条件が一つのエリアに一致したので、優先順位をつける必要はありませんでした。

もし、車の運転はしたくないけど、閑静な所に住みたい。でも交通費がかかるのはちょっと、という方は、条件に優先順位を付けてみましょう。答えが出ると思います。

3-3 足で探す

バリ島の家探しは、まず自分で動くこと。

繰り返しますが、バリ島には日本の不動産屋のような便利なシステムは有りません。不動産屋は有りますが、外国人向けのヴィラや価格帯の高い一軒家がメインです。もちろん手数料もかかります。

バリ人が借家を探す時もまず足で探します。エリアを決めたらそのエリアを回って、"Rumah sewa"、"Kontrak"、"For lease"などの看板や張り紙を頼りに気に入った家を探します。

普通は看板や紙に連絡先も書いてありますが、なくても大丈夫です。近所で雑貨屋(warung、ワルン)が有ればそこで聞いてみましょう。

バリ島は人間関係の濃い社会。借家の近所の人は、その借家のことをよく知っているはずです。

聞いてみたら、大家は隣だったということも珍しくありませんし、近所の人が大家から頼まれて鍵を預かっていて、すぐに家を見られた、という話も珍しくありません。

逆に、気に入ったエリアが有れば、最初から「この辺に借家はありませんか?」と探すのもいいと思います。

3-4 口コミ

バリ人の口コミの威力はインターネットを凌駕するほど。ましてやSNS大好きなバリ人。口コミを利用しない手はありません。

「知り合いがいないから…」というあなた。いなければ作ればいいのです。ホテルのスタッフ、ドライバーさん、食事に行った先の従業員など。とにかく聞いてみること。

彼らは自分が知らなくても、知っていそうな人を教えてくれたり、連絡を取ってくれたり、力になってくれます。ビザでお世話になるエージェントに聞いてみるのも方法です。

これは私の経験ですが、知人経由でバリ島に留学する日本人の学生のコスを探して欲しい、と依頼されたことがあります。

大学に徒歩で通えて、家具・エアコン・温水器・家電付き、費用は安く、そして入学まで1週間しかない、というかなり無茶な依頼でした。

正直、なんでもっと早く動かないかな!と半ば呆れましたが仕方ない。

大学のことは大学生に聞け!日本語を教えたことのある学生に連絡を取ると、彼女がネットワークを駆使して、1時間後には全ての条件をクリアしたコスの、残り最後の一部屋を見つけてくれました。

もちろんこれは運が良かったこともありますが、バリ人のネットワークの凄さを、まざまざと見せつけられた経験です。

3-5 インターネットを利用する

今はインターネットで家探しをすることもできます。不動産の売買、賃貸のサイトもたくさん有ります。

日本にいても、バリ島の物件の相場や借家のイメージをつかむことができます。

4 家のチェックをしよう

住みたい家が決まったら、まず家の設備のチェック。

一番大切なのは水周り

水が井戸水なのか、インドネシアの上水道(PDAM パム)なのか。

井戸水の場合は、ボーリングの深さによっては、鉄分の多い水や臭うところもあります。

タンクに貯めて使うタイプか、汲み上げて直接使うタイプか。水圧はどうか、プレッシャーポンプは付いているか。水圧が弱いとシャワーを使うことができません。

給排水のパイプが日本と比べて細いので、排水もチェックが必要です。バリ人はトイレットペーパーを使う習慣がないので、使えるかどうかもチェックしてください。

次は電気

ワット数が足りないと不便なので、最低、2200Wはあるかどうか確認してください。少なければ上げてもらってください。

最後に周りの環境

周りにどんな施設があるかもチェックが必要です。近くにモスクが有ると、慣れるまでは早朝のアザーンに悩まされることもあります。

雨季にどういう状況になるのかも重要です。近くのお店で飲み物でも買って、住民に直接聞いてみるのがいいと思います。

5 契約締結で気をつけること

契約は、ノタリス(土地や建物の公証人役場)で書類を作って、双方がサインして締結するのが普通です。その時に希望があれば、大家と相談して条項に入れておきましょう。必ず契約書は作成してください。

もちろんインドネシア語なので、日本語に翻訳が必要です。費用がかかっても、日本語のわかる人に立ち会ってもらうか、それが無理なら契約書の翻訳は依頼しましょう。

まとめ

持ち家にするか賃貸にするか。それぞれメリット、デメリットがあるので自分のライフスタイルに合わせて選びましょう。

気に入った家は気楽に見せてもらって、とことんチェックしましょう。バリ島では遠慮していると損をしたり、思わぬトラブルにあったりします。

そして、やはりバリ島での協力者は不可欠です。エージェントにアシスタントをお願いしてもいいと思います。もちろん費用はかかりますが、移住のための必要経費だと思ってください。

そして最後は決断力。あらゆる事態を想定して対処法も考えるけれど、しかし決定する時は大胆かつ迅速に。

インドネシアの法律や規則は遵守して、やるべき事はきちんとする、これを守れば大概の問題は必ず解決できます。助けてくれる人もいます。

ダメなら引っ越せばいい、なんとかなるさ、というお気楽さも時には必要ではないかと思います。

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